森林再生に関わるNPO法人などが発売した新しい蜂蜜に関する記事。科学技術の振興にも関係するNPO法人設立の一例。
ミツバチに与えたリンゴの果汁を原料にした新しい蜂蜜が発売された。その名も「秘蜜(ひみつ)」。秩父地域で森林再生に関わるNPO法人や高校、大学、養蜂場など地元の関係者が、7年にわたり試行錯誤を重ねてきた。
秘蜜を販売する食品会社「TAP&SAP」(秩父市)代表の井原愛子さんは「新しい味覚を広げていきたい」と意気込んでいる。「秘蜜」を口にすると甘みとともに程よい酸味が広がり、舌触りは滑らか。カリウムやカルシウムなどのミネラルを多く含んでいる。一般的な蜂蜜と違い、低温でも結晶化しないのが特徴だ。
今回の開発は、2008年にNPO法人「秩父百年の森」(秩父市)が秩父産メープルシロップの新たな活用方法を模索したのがきっかけ。秩父農工科学高校(同)に商品化を持ち掛けて蜂蜜状にし、埼玉大が成分や特性の分析に当たった。メープルシロップよりも安価な果汁を使うことで事業化にこぎ着けた。(東京新聞)