珠洲市東山中町の「大野製炭工場」と同市のNPO法人「奥能登日置(ひき)らい」などが、耕作放棄地をクヌギの林に再生する取り組みを続けている。十月中旬には植林体験イベントを開き、同市日置地区の山林に苗木三百本を植えた。
クヌギは約八年後、同社が製造する茶道向けの「お茶炭」の原料として伐採する。同社の大野長一郎代表(44)は「炭焼きを中心とした持続可能な循環型の里山づくりへつなげたい」と話している。クヌギの植林は、一九八〇年代ころから耕作放棄地となっていた製炭工場近くの日置地区の山林を活用しようと、二〇〇四年から大野代表が始めた。
同市のNPO法人「能登半島おらっちゃの里山里海」などの協力も得ながら、これまで約二百十アールに六千四百本の苗木を植樹。十年ほど前からは毎年植林イベントも開き、ボランティアスタッフを募って里山保全の取り組みを広げてきた。(中日新聞)