無料で食品を持ち帰れる困窮者向けの「コミュニティフリッジ(公共冷蔵庫)」。NPOが福島市内で試験的に運用していたが、地元企業から寮の一室の提供を受け、8月から本格運用が始まった。コロナ禍や物価高で苦しむ利用者からは感謝の声が絶えない。運用するのは福島市のNPO「チームふくしま」。今年2月に福島県の補助金を得て、市内のアパート一室にオープンさせた。
家賃や駐車場代の捻出が課題だったが、県内を中心にスーパーマーケットを展開する「いちい」(福島市)が、市内の従業員寮を提供した。利用者は近くの系列スーパーの駐車場を使うことができ、「スーパーの客と紛れ、人目を気にせず出入りできる」(NPO)のもメリットだ。食品提供の支援の輪も広がる。県内の冷凍食品や菓子の製造会社などの寄付に加え、農家や近隣住民からの持ち込みも増えた。支援企業や個人は100近くにのぼる。(朝日新聞)