このページをご覧の皆さんはNPO法人の設立を考えている方々がほとんどでしょう。 インターネットで「NPO法人設立」などと入力して検索すると、多くの代行業者のページが目に飛び込んできます。

それらの案内をみると「メールのやりとりだけで設立」とか「迅速・低価格で手続します」というような文言が並んでいます。 しかし、ホームページを通じてモノを買うように代行依頼するのは慎重にすべきです。

NPO法人設立手続き丸投げの弊害

代行業者のページを見ていると、お金を出せば簡単にNPO法人を作ってくれるような気がしてきます。 たしかに、15万～25万のお金を出して「こんなNPOを作ってくれ」と概要を伝えて役員の住民票を渡せば、似た法人の例を参考にそれなりに作ってくれるところもあるかもしれません。

しかし、自分たちのNPO法人を作るのに事業の計画も予算もお任せ、定款すらまともに読まずに、作ってもらった申請書類にハンコを押すだけで設立した団体に 果たしてまともな事業ができるでしょうか。最近、設立総会を開催せずに設立したNPO法人の認証が取り消される事案が出ています。

丸投げして作ったNPO法人を私はいくつか知っていますが、役員がNPOの事業について理解していないため、人任せにした挙句に休眠状態となっているところがほとんどです。 NPO法人の役員として事業を遂行するのに、基本的な知識を欠くばかりか自己の事業や予算についてきちんと把握していなければ社会貢献どころではありません。

手抜き業者に気をつけよう

またこれらの業者の中には、予め用意してある概要を記入する用紙（フォーム）を依頼者に記入（入力）させて、それをもとに認証書類にまとめるだけ、 依頼者とは打ち合わせもせずに申請するという安直なやり方をとっているところもあります。

メールや入力フォームのやりとりをして申請するだけで、依頼者と対面することなく20万以上もの費用を設定しているところや、 申請に立替費用がかからないのに着手金を要求するところもあります。

「メールのやりとりだけで設立」ときくと設立する人の負担を軽減しているようにみえて、実は自分たちの効率を重視するため、依頼者の話を聞くという手間を省いているだけです。 お金を払って細かい概要を入力しメールでやりとりするのなら、最初から自分で申請書類を作ったほうが費用もかからず賢明です。

失敗しないNPO法人設立のために

それでは、NPO法人はどのように作ったらいいのでしょうか。やはり、手続が面倒だからという理由で最初から人任せにすることなく、まずは自分でやってみるという姿勢が大事です。 NPO法人は設立することが目的ではありません。設立がスタートなのです。定款で定めた事業を行って社会貢献するのが目的なのですから、 志を同じくする会員・役員全員が基本的なことをきちんと理解した上で、主体的に行動すべきものです。

書類作りや申請は確かにある程度の手間がかかります。設立に必要な事項も一つ一つ決めなければなりません。しかし、これを最初にやっておくことはその後の活動に不可欠なことです。もし、どうしても自分たちで申請できない理由があれば、お気軽にご相談下さい。ベストの方法を一緒に見つけましょう。

人任せにせず自分たちで作ってよかった、というお便りをいただくと同じNPO法人として充実感を共有できます。ファストウェイはそんな方々を応援しています。