貸借対照表の公告には従来通り官報で行う方法のほかに、主に4通りのやり方があります。その中に日刊新聞紙に掲載する、という方法もあるのですが、これは官報同様に費用がかかるため、選ぶ人はまずいないと思います。
ここでは、それを除いた3つの方法をご紹介します。どれもお金がかかりませんよ。
1 電子公告による方法1 法人のホームページに掲載
NPO法人にはホームページをもっている団体が多いので、ここに掲載するのは一番簡便な方法でしょう。ただ、ホームページをもっていない団体は、これを機に新たに作成するしかありません。
本格的なページを作るには費用をかけて作成業者に頼むことになりますが、WIXなど、無料で作ることのできるホームページもあります。
2 電子公告による方法2 内閣府NPO法人ポータルサイトに掲載
つぎの方法は内閣府のページ内にあるNPO法人ポータルサイトというサイトに掲載する方法。これはホームページを持っていない団体にとって選択肢の一つ。もちろん、独自サイトを持っている団体がこの方法を選択してもかまいません。このポータルサイトはNPO法人であれば無料で登録して利用できます。
3 主たる事務所の掲示場に掲示
3番目が、書類を主たる事務所の掲示場に掲示する、という方法。これはNPO法が定める方法の「主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示」という規定に基づくものです。「不特定多数の者が公告すべき内容である情報を認識することのできる方法」を具体化したものですが、わかったようでわからない方法ですね。
市役所や裁判所に行くと、入り口近くに書類を掲示した箱やさまざまな案内などを貼ってある場所がありますね。アレが掲示場です。しかし、そんなスペースや設備をもっているNPO法人はまずないでしょう。
自宅を事務所にしているNPO法人だと、ただ玄関があるだけですからね。ではどのようにすれば公衆の見やすい場所に掲示したことになるのか?内閣府のQ&Aをを見ても、掲示場に掲示のほか、「入口付近に掲示」としか書いていないのではっきりしないんですね。
まあ、この点は団体独自の判断ということになると思います。現実的にはよほど大きな団体でないかぎり、「お宅の団体の貸借対照表を見せてほしい」なんて人が来ることは考えられないですけどね。