今や日本女性の10~12人に1人がかかる乳がん。診断された年約6万5千人のうち4割が全摘手術を受けるというが、乳房がなくなってしまう精神的なダメージは大きい。そんな女性たちに寄り添う人たちがいる。
乳房を“取り戻す”には、人工乳房を胸の部分に埋め込んだり、おなかの筋肉などを移植したりする「再建手術」があるが数十万円かかる。左右対称になりにくく、何より「一度全摘手術で体にメスを入れたのにまた手術する精神的な負担が大きい」と満安さんはブラジャーに入れるパットタイプの人工乳房を推奨する。2、3万円で済み、買い替えも簡単だ。これまで約1万人の患者に薦めてきた。
現在は、全摘手術で残った方の乳房の写真からデータを取り出し、3Dプリンターで型を制作するオーダーメード製品の開発も進めている。本田幸恵社長は「全摘手術で傷ついた女性の気持ちが少しでも軽くなるお手伝いをしたい」としている。(西日本新聞)
乳がん患者 再出発の力に 福岡のNPOが人工乳房を販売