津波がまちを壊していくテレビの映像が、現実のものと理解するのに時間が掛かった。福井県内で長く防災啓発活動に取り組んできた敦賀市のNPO「まちの防災研究会」の松森和人理事長(61)は、「東日本大震災は防災のパラダイムシフト(価値観の転換)だった。命を守る防災を伝えていこうと決心した瞬間だった」と振り返る。
松森さんは1995年の阪神大震災での経験をきっかけに、2004年の福井豪雨など県内外の被災地で災害ボランティア活動をけん引。10年秋に「まちの防災研究会」を発足させた。「災害発生直後に、行政がフォローするには限界がある。住民同士で助け合わないといけない」との思いから「まちの―」と名付けた。(福井新聞)