恋人間の暴力や嫌がらせ、性行為の強要などを指す「デートDV」を防止する講座や相談事業を展開するNPO法人「エンパワメントかながわ」(横浜市神奈川区)は、相談窓口を開設してから十年間の活動をまとめた報告書(A4判二十六ページ)を作成した。同NPOは二〇一一年、デートDVに特化した相談窓口を全国で初めて開設。相談は初年度の七十一件から、一九年度は六百三十七件に増加した。
昨年度分は集計中だが、無料通信アプリ「LINE」での受け付けも始めたことから、相談は倍増したという。LINEで相談が多かった理由について、阿部真紀理事長は「新型コロナウイルスによる外出自粛で、近くに恋人がいて電話しにくかったのでは」と分析する。高校生向けに発行している啓発冊子も十年ぶりに刷新した。報告書とともに、同NPOのホームページから申し込んで入手する。阿部理事長は「今後、行政と連携して相談態勢を拡充したい」と話した。(東京新聞)