水道や電気と同様、現代人の生活に不可欠となって久しいインターネット。米ニューヨーク市では、貧富の差によって接続に格差がある現状や民間大手による寡占に風穴をあけようと、無料サービスを提供するNPO活動が広がっている。分散型ネットワークを使うため、災害や通信混雑にも強いという。
メッシュの活動が始まったのは2014年。通信容量のかさむ動画配信や会員制交流サイト(SNS)が拡大していたが、月90ドル(約1万円)近くに及ぶ民間事業者の高速通信サービスは低所得家庭にとって軽くない負担だった。活動は創設者のコンピュータープログラマーらが「生活の中心となったネット接続に貧富による格差があってはならない」と訴え、ボランティアの技術者がネットワークを広げてきた。運営は主に地域社会からの寄付で賄われる。加入者は任意で機器設置費用を支払い、月ごとの資金支援を求められるが義務ではない。(東京新聞)