北海道標津町と別海町にまたがる野付半島で漁網やロープなどが角に絡まったエゾシカ「羅網(らもう)ジカ」を救おうと、NPO法人「野付エコ・ネットワーク」が11日、現地で清掃活動を行った。野付半島では狩猟が禁じられているため、20年ほど前から厳冬期にエゾシカが越冬するようになり、近年は雄が通年生息するようになった。ところが、海流に乗って漂着したり、沿岸で定置網漁を営む漁業者が捨てたりした漁網やロープなどの漁業資材がエゾシカの雄の角に絡むケースが数年前から深刻化。
網が角に絡んだり、まるで「角突き」をしているような態勢で2頭の角どうしがつながってしまったエゾシカもあらわれた。別海町は羅網ジカを麻酔銃で眠らせ、網やロープを外している。ただ、こうした「対症療法」だけでは問題は解決しないことから、NPOは羅網の原因となる放置された漁業資材などのごみを回収する「原因療法」に乗り出した。(毎日新聞)