NPO法人認証取り消しの主な理由は「3年間事業報告書未提出」
なるほど、NPO法人設立を代行する専門家に頼むと、その後の手続きにも費用がかかることがわかりました。では、設立のときだけ代行を利用して、翌年からはお金をかけずに自分でやろう、とお考えの方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、これはあとで大変苦労することになります。設立手続きを自分で行っていれば、パソコンにワードやエクセルの形で書類のデータが残っていますから、これを使って報告書や登記申請書を作るのは難しくありません。
早い話が、設立後に作る書類というのは設立時に作った書類の応用編です。事業計画書は事業報告書に、活動予算書は活動計算書に直せばいいわけです。形式も似ているので最初作ってしまえば、2期目からは基本的に同じ作業をするだけです。
ところが、設立のときに書類作りを代行事務所に任せしてしまうと、手元にデータがないため、これらの書類を一から作らなくてはならないのです。専門家に『これからは自分でやるからデータをくれ』と言っても相手は代行報酬が欲しいので断るでしょう。
近年、認証取り消しになるNPO法人が増えている(2016年1月末で2,592件)のをご存知でしょうか。取消しのもっとも多い理由が「3年間事業報告書未提出」。自分で書類を作れず、「専門家」に頼む費用もないために破綻してしまうことが多いのですね。
最初から自分でやっていれば、費用もほとんど係らず、こんなことにもなりません。安易に代行依頼して設立すると、こんな落とし穴が待ち構えているわけです。