NPO法人設立のメリット

道府県などの「手引き」を見ていると、法人化のメリットがあれこれ書かれています。その中には必ずしも利点とは思えないようなことも含まれていますが、主なものをまとめてみると以下の3つになるでしょう。

(1)法人名で活動できる

これは事務的なことが多いのですが、NPO法人を設立すると、その後法人名で契約したり、銀行口座を開設できるようになります。法人になったのですから、当然といえば当然ですね。これは団体名を肩書きにつけて代表者の個人名でしか行動できない任意団体と大きく違う点ですね。

ただ、この点は個人商店を株式会社にするのと同じで、何もNPOに限ったことではなく、法人になる団体すべてに当てはまることです。店を会社組織にするのと同じ話です。いずれにしても、団体なのに財産の管理が個人名義でしかできない、という実務上の煩わしさがなくなるというのはたしかに便利なことですね。

(2)税金面で会社と違う点がある

税金の負担という点については、法人になることでメリット、デメリットの両面があります。たまにNPO法人は非営利だから無税だ、と誤解している人がいます。しかし、NPOも法人になると「法人」と名の付く税金の対象になります。

ただ、会社と違うのは、まず基本的に会費や入会金には課税されないこと。もう一つは、会社なら赤字でも払わなければならない法人の地方税の均等割(7万円)が、税法上の収益事業を行っていないNPO法人なら減免されるという点です。

(3)社会的信用が得やすい

最後にNPO法人に特有の利点は社会的な信用が得やすいということです。もちろん、信頼や信用は時間をかけて地道に築いていくものですが、NPO法人の場合は設立時においてもある程度はこのメリットがあります。 行政府の認証を得て成立したNPO法人と任意団体、営利会社とでは印象はやはり違ったものになります。

とくに会社などと異なってNPO法人は儲けるためにやっているのではない、公の利益のために活動しているというイメージが強いため、地元の新聞やタウン紙に取り上げられることもよくありますね。

最後にもう1点。NPO法人を設立すると補助金や助成金がもらえる、と勘違いしている人もいます。しかし、無条件に補助金などが得られることはありません。法人の目的や事業などが個別の募集要件に合い、審査を通ることが必要です。 その際、法人格があることが応募の要件となっていることが多いので、この点では任意団体より有利ということはいえますね。


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